2009年 7月07日

急 ぐ な 合 併・守 ろ う 安 土 み ん な の 会 通 信  No.37

合併議案を6月県議会で審議議決する理由は
単に「電算システム」の都合だけ。

 2日、県会では合併議案への質疑が行われました。沢田享子議員(対話の会)の質疑を通じて、県が6月に議決を急ぐ理由が「電算システムの都合」だけであることが明らかになりました。住民の思いをないがしろにし、電算云々の理由だけで議決をするなんてとんでもありません。合併議案は、継続審査されるべきものです。

沢田議員の質疑内容は次の通りです。(「みんなの会」傍聴メモ)

(沢田)
・私の議員になって合併の件13回目だが片方の町のリコールが決まり住民投票の日も決まっているというケースははじめて。
・リコールされた町長が決まった安土町の合併を審議することは県会でも例がないことだ。
・安土は2011年の大河ドラマ等が放映される(全国的に注目されるのが安土だ。町民は町名が消えることでどうなるのかと心配されている。また今、別の意味で注目されている。)
・廃置分合議決は近江八幡は15対4、安土は5対4で議決されたことは重く受け止めたいが、行政の説明が十分でない。
・リコール署名3,927筆が本請求され8月23日と投票が決まった。
・住民から沢山の電話や手紙も頂いている。5月28日来訪、6月17日再来訪。
・当初9月議会となっていたが6月と大きく変更した・・・・なぜか。
・安土町以外の県民感情も考慮した場合もう少し協議した方がよいのではないか。
・手続きに瑕疵(かし)はないが、新しい町に住民が参画していかなくてはならないことを考える、リコールのこともあるし問題だ。両側の感情、新聞報道、県民感情を考慮した場合もう少し時間をかけた方がいいのではないか。知事はどんな思いで議会に提案されたのか。

(知事)
・地域自治区が初めて設けられたこと。
・安土の名が、近江八幡市安土町で残ったこと。
・両市町の議会議決が重いこと。
・西の湖ラムサール条約が生かせる街づくり。
・信長-秀次に引き継がれた共通の歴史
・新法内合併を支援する県として提案した。

(沢田)
・当初9月県議会が6月に早めた理由を伺いたい。町長の抑圧的な取り下げ訪問は住民感情を逆なでした。6月を9月にしてはどうか。だめなのか。

(総務部長)
・6月申請で大臣同意、6月22日済んでいる。特例支援で県は支援していく。電算等早くやりたい。

(沢田)
・合併協議は対等であるのに地域自治区を安土のみそれを置いて哀れんでもらっているのか。
・住民がわかったと言われるようにするべきで県はどうされるのか。
・県支出の考え方、新市と県の財政計画。
・選挙管理委員会の認識をどう考えているか。
・署名簿の審査をどのような手続きでするのか住民の権利を踏まえた答えを。

(選管委員長)
・間接民主主義を補完するのは直接民主主義が認められている。
・署名は町の選管が責任を持ってやることだ。
・選管は独立したもので公平公正に粛々と事務をするべき。

(沢田)
・総務部長へ、合併には電算、条例等たくさん準備がいるが執行責任者がリコールされている。投票が済んでからにしてほしいという住民の思いを考えると9月議会では間にあわないのか。

(総務部長)
・電算システムから6月がふさわしい。円滑に進まない恐れがある。

(沢田)
・今言われた作業をする上でリコール投票の8月23日以降で間にあわないのか。

(総務部長)
・例として合併は予想していないことがおこると聞く。8月23日以後では準備は難しくなる。


近江タイムス 第1027号(平成21年7月1日発行) 社説


近江八幡市と安土町の合併による熟慮の無い安直な新市名に異議あり

近江タイムス社 里西良之

 国の進める平成の大合併が来春で終わる。国内では10年間で市町村数は約半数となった。その得失は今後表れるだろうが、県内でも米原以北6町が長浜市と来年1月1日付、また近江八幡市と安土町が来春3月21日付で合併する。その中で、近江八幡と安土の合併後の新市名に異議ありと言いたい。

 安土には誰もがご存じの、今から439年ほど前に織田信長が繖山に隣接する目賀田山(安土山)に築城した安土城があり、その城の天守閣は南蛮風の八角形で金箔が貼られた豪壮な城郭で、東方見聞録に「あんづち」と紹介されている。戦国の乱世を美濃出身の極めて冷酷非情の信長らしいやり方で多くの恨みを買い、全国平定半ばでの非業の死を遂げた。贅を尽くした居城が完成後、僅か3年で部下の明智光秀により、灰燼に帰したことは悔やんでも悔やみきれないが、これが歴史というものであろう。

 その由緒ある「安土」という町名が、人口の多いところと合併するというだけで合併協議会の多数決で自治体名から消え、安直に旧来の「近江八幡市」のままの名でいいのだろうか。影響の大きい問題だけに合併する両自治体だけで決めることではないように思うし、地域エゴで決めることではないと思われる。
 合併は、大が小を併合する財政効果だけでなく「将来への夢と希望」が担保されなければ安土町民の心が救われない。それが今の多くの町民の心境ではないか。大事な新市名の命名問題は合併のみに目が奪われ、余りにも拙速で町民の誹りは免れない。

 いま、わが国は産業の一つとして国を挙げて外国人観光客誘致に必至で、有名温泉地など外国の観光客で潤っている。しかし、この大不況と円高でアジアの特に中国・韓国が大きく落ち込んでいる。中国の富裕層が一割としても我が国も人口ほどあり、その人達が東京秋葉原で落とす外貨は大きいという。雪のない豪の人達には北海道が人気という。いま観光客が増加したのは、日本の自然風景、歴史、治安、洗練されたもてなしにあるという。日本各地では内外含め観光客誘致に躍起で、嘉田知事はインフルエンザで修学旅行をキャンセルした東京の中学校詣でまでして、是非観光滋賀にとPRに行っている。

 その中で織田信長の「安土町」、その後を継いで日本を平定した豊臣秀吉の「長浜市」、その後の関ヶ原合戦後の徳川家康の信任厚く日本を開国し、近代国家に導いた井伊直弼の譜代大名35万石の「彦根市」と、国内に響く余りにもビッグな由緒ある地名が続く。その「安土」を。平成の合併で自治体名から消滅させてよいものだろうか。

 世界遺産の多さなど観光立国を目指し、国交省野中に官公庁まで作り、国内では至る所で客寄せの目玉づくりに必至の中、この熟慮の無い旧来のままの新市名でよいだろうか。なぜ「安土八幡」とかその逆が考えられないのか。「安土」の地名そのものが近江を表しているのではないか。県は名神・新幹線ありの有利な土地柄を活かすどころか、滋賀に行きたいと思わせる歴史と浪漫を秘めたインパクトのある地名を失ってよいのか。県の合併さえ成就すれば良しとする狭い考えが将来の観光立県に暗い影を落とし、湖国観光の大きな損失となる。後世に悔いを残さぬようにしたい。

このネーミングには、国や県の進めている観光振興との整合性が見当たらない。

湖東地域県民の一人としての意見、思いである。

「夏草や 兵(つわもの)どもが 夢の跡」


「今私たちにできること」

(常楽寺・女性)


 長い月日を経てようやく安土は住民が意思を表明できる「住民投票」までこぎつけた。この間、私たち住民は、町長のあらゆる暴行を目にし、耳にし、日に日に怒りの感情が高まるばかりであった。もう繰り返す必要も無い、新聞、テレビで連日報じられた町長の恥じのかき捨ては、余りにも目に余る。

 にもかかわらず、今だに町長のイスに未練があるのか自分から去ろうともせず、あらゆる醜い行為で自分の利益だけを守ろうとした、全国に恥ずべき人間をもはや町民は絶対に許すことはできない。又、そのような町長を後ろから応援し、支えてきた議員の存在も同時に町民は許すことはできないのである。

 あなた達は、小学校、中学校で繰り返し教えられてきた民主主義の意味がわからないのか!! 暴力(手を出さなくとも、住民の意思を踏みにじること)や、権力で自分のしたい放題をし、恥じのかき放題をすることが民主主義と言えるのか!! 恥を知れ!!

 平和で、静かな安土を、長い長い混乱と争いの町にした町長はどうやって責任を取ろうというのか、即刻辞任しても、決して町長の責任を果たす術はもはや何処にも無い。

 合併の是非を問う「住民投票」さえしていてくれたら、住民はここまで苦しみや怒りを感ずることは無かったはずだ。合併に対する賛成、反対の意見の違いを乗り越え、住民は今まで通りに仲良く生きていくことができたはずだ。

 こうした、安土の現状すら全く理解できず、今又、「町長を守る会」という主旨の会に名を上げた人々が居ることに、もうあきれるというか、怒りを通り越し、「それでも安土の住民か!!」と問い正したくなる。



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