平成21年6月17日
滋賀県知事
嘉田由紀子 様
急ぐな合併・守ろう安土みんなの会
代 表  大林 宏

申し入れ

 去る6月15日、安土町議会は津村孝司町長の提案した近江八幡市と安土町の廃置分合を議決しました。ところが、この廃置分合議案の提案と町議会の議決は町民の意思を十分反映したものとはいえません。現に合併問題にかかる津村町長へのリコール署名は有効数を大きく超え、リコールの住民投票が実施されることは確実です。こうした状況を踏まえ、リコール投票による住民の意思を見定めるため、6月県議会に、近江八幡市・安土町の合併の提案を行わないよう強く強く申し入れます。

 以下に理由を述べます。

1.民意を踏みにじり、「地方自治の本旨」にもとる行為

 合併によってふるさとの自治体がなくなるというのは、住民にとってきわめて重大な問題です。地方自治の根本は住民の自治であり、自治体の存亡という大問題においては、とりわけ住民の意思が最大限尊重されなければなりません。ところが、今回の合併の進め方はその大前提を欠いています。

 それは、合併協議会の調印時もその後も、「安土大好きパレード」などに参加する町民が回を重ねるごとに増えていること、町議会の議決を前に「6月議会で強行するな」の声が高まり、自然発生的な各議員への要請が展開されたことなど、この合併に納得しない多数の町民の声と行動に示されています。これら住民の立ち上がりは、実に安土始まって以来の歴史的な出来事です。

2.ふるさとへの愛着心を壊さず、民意の成熟をはかるべき

 ふるさとへの思いが、乱暴に踏みにじられ、地域のコミュニティに亀裂を入れたまま合併議決が強行されたことは許せません。先に述べた住民の声と行動の盛り上がりは、誇りと愛着を持ってきたふるさとの自治体「安土」が、全く不当な進め方で消し去られることへの立場を超えた怒りを反映したものです。それは6月議会で強行する理不尽さへの強い批判となっています。

 町内著名13氏が「リコール投票などで民意を確かめてからでも合併は遅くない、6月議会で強行しないでください」という「呼びかけ」を発表されました。これに対する賛同は日に日に増え続け800名近くに及んでいます。そのなかには、前回の合併騒動の際に合併検討会議の副会長をされた杉原医師、元収入役の中澤武平氏、同じく仙波新一郎氏、そして竹園医師、更には町長が議員時代に統一会派としてともに活動された元町議の中村為三氏などが含まれています。まさに、ここにこそ民意があるのだといえます。800名に近い連名のチラシが配布されると本当に大きな反響があったのです。

3.津村町長が民意に背を向け、本請求引き延ばしをはかるのは見苦しい愚行

 リコール署名は、成立に必要な数を大きく超えて4209筆を記録し、選挙管理委員会の審査を経ても3931筆が有効とされました。この署名に示された町民の声を謙虚に聞くべきところ、町長は署名活動中も署名確定後も、電話や訪問などで違法な妨害活動を行いました。それらは有権者の公民権行使の自由妨害であり、地方自治法に照らしても明らかに違法行為で許されないことです。さらに、町長は選管の審査にあたっても、2000通もの呼び出し費用を専決処分で予算化し、全国的な批判を浴びました。その上、審査後には890筆にも上る異常な数の異議を申し立てを行いました。選管が一筆ごとに審査したものについて、個別に異議の理由を述べることもできず、町長があげたのは判例や先行事例に照らせば理由にもならないことばかりでした。選管が公正に処理すれば、町長の行為がリコールの本請求を引き延ばすための愚行だったことが明らかになるでしょう。

 このように、住民の声に背を向ける津村町長の姿勢は一貫したものですが、それはこの合併が住民無視で進められたということを象徴的に示しているのです。


 以上述べたように、合併議案の6月県議会への提案は、安土町民の意思を踏みにじり、「地方自治の本旨」にもとる行為です。

 私たちのふるさとへの愛着心を壊さず、リコール投票などで民意の動向を見定めていただくためにも、6月県議会への提案を見送っていただくよう重ねてお願いいたします。


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