７月１２日、元兵庫県出石町の最後の町長（現・豊岡市議会議員）奥村忠俊氏をお招きして、安土町健康づくりセンター・悠々元気園にて講演会を開催しました。

講演会の会場になった悠々元気園

　兵庫県の北部にあった出石町は、2005年に豊岡市、城崎町、竹野町、日高町、但東町と合併し、新「豊岡市」になりました。合併話が出る前、当時の町長は町の利権を一手に握る有力者。議会も町長派が多数を占め、合併議案は１８対２で可決されました。しかし合併の進め方がおかしいと声を上げた住民が、任期満了に伴う町長選挙に、町議として合併反対を主張してきた奥村さん（現豊岡市議会議員）を町長候補に推し、激しい選挙の選の結果、

　　奥村忠俊（無所属新）　３３８８
　　中村正永（無所属現）　３３２０

僅差ではありましたが、住民は合併反対を貫いてきた奥村さんを新町長に選びました。奥村さんの家業はお蕎麦屋さん。町内には５０件ほどもある蕎麦屋の大将（経営者）達が奥村さんの応援に尽力されたとのことです。

　奥村新町長は、合併が進められる中でも、旧出石町地区の住民が主体的に町作りするために必要な独自財源を確保しようと、観光事業を行う「出石まちづくり公社」という第三セクターを立ち上げました。現在の出石では、この公社の収益を使った出石地区住民主体の町起こしが進められています。他にも合併前に、しっかり町作りの基礎を固めておこうと、施策を考えておられたそうですが、2004年10月20-21日に襲来した台風２３号により出石町が大きな被害を受け、合併までに残された任期とエネルギーのほとんどを災害復旧に充てねばならず、心残りも多かったようです。

元気園の安土城屏風絵の前で、講演会進行の打ち合わせ中

大林代表から奥村さんの紹介

講演中の奥村忠俊さん　淡々とした語り口ですが、ずっしりと重い
経験に裏打ちされた地方自治への熱い思いが伝わって参りました。

奥村さんは現在、合併で成立した豊岡市の
市議会議員として活躍しておられます。

　こちらに、全国地域人権運動総連合が２００６年１２月２日から３日にかけ、岡山市内で開催した「青年幹部養成講座」に際の、奥村さんの講演「住民自治と地方自治の経験」の内容が収められています。後半部分が安土での後援会の内容とほぼ同じになります。